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シンドラーのリスト
ナチによるユダヤ虐殺をまのあたりにしたドイツ人実業家オスカー・シンドラーは、秘かにユダヤ人の救済を決心する。彼は労働力の確保という名目で、多くのユダヤ人を安全な収容所に移動させていくのだが……。
スピルバーグが長年あたためていたT・キニーリーの原作を遂に映画化。念願のアカデミー賞(作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・作曲)に輝いた作品。


ようやく観ることができました。シンドラーのリスト。
DVDを手に取ったとき、その長さに驚きました…3時間を超える長編。しかもモノクロ。私は今までモノクロ映画を観たことがなかったので、ちょっと不安を抱いてもいたんですが、そんな心配はまったく必要なかったということがすぐにわかりました。
モノクロにしたことで、過去らしさを出すというだけでなく、あたかも自分がそこにいてこの惨劇を見ているかのような気分になります。暗くて、常にどす黒い煙が立ち込めていて、そこら中に死体が転がっていて…、そんな情景です。絶望と混乱、死しか存在しないような…。
映画の中にものすごく入り込めるので、時間が過ぎるのもあっという間でした。

私はこのホロコーストについて、せいぜい「アンネの日記」で知った程度の知識しかありませんでした(「ライフ・イズ・ビューティフル」は観ましたが、あれはまた違った見方をする作品だと私は思っているので)。たまに学校や本やテレビなどで話を聞いたりするときも、それで知っているつもりになっていたんです。でも、この映画を観て、私のその浅い考えは間違っているということに気がつかされました。
ナチスによるホロコーストが、こんなにもひどい出来事だったなんて。
この映画はどこまでもリアルにすべてを描写しています。まるで楽しむかのようにユダヤ人を射殺していくドイツ人たち…あっけなく命が消えていきます。その虐殺の様子が、悲しげな音楽とともに、ひたすら淡々と描かれていくのです。どうしてこんな簡単に人を殺せるんだ、殺す必要なんてないのに。彼らは何も悪くないし、何もしていないのに。なんで?どうして?…ショックでした。ただ、ショックでした。悲しくて、かわいそうで、胸がギリギリと痛みました。

戦争のことを知らない人に観てほしい作品です。過去のことだから、今さら何を言っても考えても仕方ないかもしれませんが、私たちには、これを観て過去を知り、感じ、きちんと考えを持つ責任があると思います。
観終わったあとは本当に重苦しくて、決して後味のよい作品ではないですが、私は観てよかったと思うし、もっと早くに観ておけばよかったとも思いました。人生観が変わった気すらします。

この偉大なオスカー・シンドラーという人物を見事に演じてみせたリーアムさん…本当に素晴らしい俳優さんですね。改めてそう感じました。


↓追記、ネタバレ
 さて、ネタバレになるので上に書けなかったことをもろもろ。

私的にこの映画の中で最も印象に残ったのは、あの赤いコートを着た女の子でした。
前半に、ユダヤ人たちが虐殺されていく中を歩く赤いコートの女の子をオスカーが目で追うというシーンがあります。突然画面に現れた、「赤」という色。意識しなくても、白黒世界で動くたったひとつの色を追ってしまうので、まるで自分がオスカーとなって見ているような気分になります。
そして、後半…殺害されたユダヤ人が大量焼却される場面です。2、3人ずつ死体が台(?)に横たえられ、兵士たちがそれを運び、焼却台へ向かいます。淡々と死体が運ばれていく様子を、じっと眺めるオスカー…そのとき、突然「赤」が目に飛び込んできます。あの女の子でした…赤いコートが台に無残に横たわっていました。この瞬間、私の心はオスカーの心と完全にシンクロしたと思います。きっと、同じことを考えていたはず。「ショック」なんて単純な言葉で言い表すことができず、やりきれなくて、悲しくて、心臓が握りつぶされるかのような感情…。

モノクロにしたのはこのためだったのだろうか?と思いました。こんな効果的な使い方があるなんて…もしカラーにしていたら、こんな衝撃は味わえませんでした。あえてモノクロという手法をとったスピルバーグ監督には、さすがの一言です。今まで娯楽大作系のイメージしかなかったんですが…すごく見直してしまいました。こういった作品をもっと作ってほしいですね。


でもなによりも、ラストのオスカーの台詞が頭から離れないです。
「もっと努力していれば、まだ救えたはずだ。この車を売れば、5人救えた。5人もだ。このピンで2人救えた、金だから。2人じゃなくて1人でもいい。人間1人の命だ…救えたのに、努力をしなかった…」
こんな感じだったと思いますが、この台詞…オスカーは、1000人以上ものユダヤ人を救ったのに、それでも「まだ救えたはず」と、泣きながら崩れ落ちます。私も泣きました。私も苦しみました…。
オスカーは確かに、はじめはただの金儲け目当てのビジネスマンでした。決して善人ではなかったんです。女、酒、金…それさえあれば満足。もっと金を稼ぐために、ユダヤ人を労働力として使う。人でなく、道具として。
はじめの方の台詞からもわかるように、彼は自分や相手が何人だろうと気にしない、人種差別をしない人間です。でも、ユダヤ人という同じ人間をタダ同然で働かせている時点で、そんなことはあまり関係ありません。ただ、殺していないだけです。
オスカーはいったいどこで変わったのでしょうか?ユダヤ人の虐殺現場を目にしたときから、なにか変だということに気がついたんでしょうか。
彼は最終的に、ユダヤ人たちの救世主になりました。そして今までの自分の行動を心から悔いたのです…ユダヤ人だって、自分たちと何も変わらない人間。それをなぜ今まで救おうとしなかったのか、と…。
彼はそう思ったでしょうが、オスカーがいなければそんなことをやる人間はおそらく他にいなかったのだから、やはり彼が成し遂げたことと彼が持った気持ちは、素晴らしく偉大なことです。

二度とこのような悲劇が起きないようにするためにも、こうして後世に伝え続けていくことが本当に大事ですよね。
監督とキャストはもちろん、この映画に関わった人全員に、ありがとうと言いたいです。
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